知立むかし話「姫塚」

かきつばたの花で有名な八橋の無量寿寺を知っていますかその無量寿寺の本堂の裏庭に、小さな塚があります。の塚は、姫塚とも、かきつばた姫の塚とも言われています

平安時代のころ、在原業平は、思ってはならない身分の高い姫を愛してしまい、京の都にいることができなくなりました。そして、東のほうの国へ旅に出ました。

旅の途中、八橋というところを通りかかりました。そこには、かきつばたが美しく咲いてました。業平「なんと美しい花だろう。この花を見て旅の疲れをいやすことにしよう。」業平は、しばらくここにとどまることにしました。

一方、業平を愛していた姫は、業平に会いたい一心であとを追い、都をぬけだしました。 姫「業平様はどこまで行かれたのでしょう。早くお会いできないかしら。」姫は何日もかかって、ようやく八橋へたどりつきました。

数日後…「業平様、きれいなお姫様が京の都から来ていますよ。あなたのお知り合いじゃないですか。」
業平は、姫が女の弱い足ではるばるここまで自分を訪ねて来たことを知りました。

業平「あの姫が、わたくしを訪ねてこんなに遠くまで来てくれたのか。」業平は、うれしさとなつかしさで胸がいっぱいになりました。

業平「でもやっぱり、あんなに身分の高い人と一緒になることはできない。」業平は、川をへだてて姫と会いました。業平「わたくしが東の国に旅に出たのは、あなたの幸せを願ってのことです。今ここで一緒になっては、わたくしの心もまた乱れてしまいます。わたくしのことを忘れて都に帰って幸せにくらしてください。」と言って、旅立ってしまいました。

姫「とうとう行ってしまわれた。またわたくしひとりになって、どうしたらいいのでしょう。」慕っていた人に会えた喜びもつかの間、姫はあとに残され、悲しさと長い旅の疲れで病気になってしまいました。姫は、無量寿寺で村人たちに親切に看病されていましたが、病気はよくなりませんでした。

そして、とうとう池に身をしずめてしまいました。村人「ああ、何とおかわいそうに…。はるばるここまでたずねてこられたものを…。」その後、姫が身をしずめた池には、かきつばたが美しく咲くようになりました。

それからは誰が言うとなく、姫のことをかきつばた姫というようになりました。村人は、姫をあらわに思い、無量寿寺に塚をたてました。その塚が姫塚です。

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